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2017-07

韓国ドラマ「トッケビ」小説 コツコツ翻訳10 「ナリチョアソ~♪」 - 2017.06.25 Sun


6話

ナリチョアソ

のコンユのセリフが韓国中、いや世界中でヒットしたのではないでしょうか。
うまいセリフですねぇ・・・・

さてこのセリフの訳ですが
なかなか難しいです。
날Narは、「日」という意味ですが、天気という意味もあります。
ですがそのまま「天気」と訳してしまうとちょっと情緒がなくなるんですよね。
日本古来の言葉で「日和ひより」という言葉がこの場合ぴったりなようです。
939年生きてきたトッケビの言葉としてもよく合っているのではないでしょうか。
※「天気」を意味する韓国語は一般的には날씨ナルシです。
ただし、天気予報は「일기 예보」となります^^
.
날이 좋아서 ナリ チョアソ
날이 안 좋아서 ナリ アンジョアソ
날이 적당해서  ナリ チョクダンヘソ
모든 날이 좋았다 モドゥンナリ チョアッタ
日和がいい日も
良くない日も
日和がちょうどよい日も
すべてが良かった

(ちょっと意訳してみました)

そして大笑いしたのが、誓約書の中身
ドラマでは最後の初雪の部分しか読まないので
本で初めてすべてを読んだんですが・・・大爆笑!
1. 乙は甲の利用価値がなくなっても利用価値がないということを言わない。
なぜなら甲はもろいから

イヒヒヒ・・・・おもろすぎる・・・・(笑)

それと、「ニンニクの皮を剥く死神」
ドラマだと違和感なかったけど小説で読むとなぜか笑いが・・・(^^ゞ

Mnetでは7月からまた放送が始まるようです。再々放送?
未視聴な方はこの機会を逃しませんように!
※2017年7月11日(火)スタート!
 本放送:(火)(水)20:30~22:00  再放送:(水)(木)深3:00~4:30、(土)(日)5:00~6:30
 しかし召喚スペシャルはなんで放送されないんでしょうか・・(-.-)


P238
日和がよくて 날이 좋아서  ナリチョアソ

もう本当に剣を抜いてあげようとしたのに、抜いてくれと追いかけてきた時があったのかと思うほど、トッケビはウンタクを避けるのに忙しかった。かっこよくなりたいと言ったのに、天気が数日曇っていた。濁った灰色の空を一度見上げてウンタクはため息をついた。校門の前に止まっていた黒の車がウンタクに向かってクラクションを鳴らした。トッケビかと思って一瞬喜んだが間もなく車から降りる二人の男を見て後ずさりした。
 「学生が家出をしてどうするんだ。危ないじゃないか。おばさんが心配しているぞ。乗れ、早く!」
前回ウンタクを拉致したサラ金業者たちだった。叔母が家の補償金を持って逃げたためにもう一度ウンタクを探してきた様子だった。逃げようとするウンタクをサラ金業者らが捕えようと前を争ってとびかかるとお互いがぶつかったのか、険悪な雰囲気になった。すると二人だけで喧嘩を始めてしまった。二人の相性がめちゃくちゃだった。わけのわからない状況だったがウンタクとしては逃げるチャンスができたようで幸いなことだった。
二人のサラ金業者が喧嘩をしている間、ウンタクは急いで向きを変えた。そんなウンタクの前に中年の男性が突然現れた。 





 「知ってるサラ金業者ですか?」
キム秘書だった。柳会長の最側近。天衣無縫なトックァを監視していて、トックァに会う時はいつも影武者のように彼を見つけることができた。
 「あ、びっくり。こ、こんにちは。あの、誰でも一人ぐらいは知ってるサラ金業者が・・・」
 「私は誰だか知ってますか?」
 「知ってるというよりは見たでしょう。トックァさんを尾行されてるのを」
一言で隠れて尾行するというのでもなかった。トックァだから、気がつかない程度だった。きっちりと分けた髪型が印象的だったし、おまけに話し方も固い人だった。それでも知っている人に会ったのでなぜか安心した。
 「でも、あの人たちがサラ金業者だって、どうしてわかったんですか?」
P240
 「私も一時、サラ金業者だったんですよ」
 「はい?」
 「まったく女子高の前で喧嘩するサラ金業者がどこにいるんだ」
キム秘書が携帯電話をかけていると女子高の前で大柄なサラ金業者たちが喧嘩していると警察に通報した。
サラ金業者らは状況も把握できずひたすら喧嘩していた。死神が記憶を消してトッケビが二人の関係が離れるように呪いをかけたせいだった。女子高生を脅迫しお互いの胸倉を掴んだ二人を緊張が解けて見るとまぬけにさえ見えた。
「トックァ君が遅れるみたいですね。私の車で行きましょう」
ウンタクはどきどきしたままキム秘書についていった。近くに車が止めてあった。

キム秘書のおかげで家には無事に到着した。ただいまと挨拶をするが、ソファに座ってテレビを見ていたトッケビがわざとらしくテレビを消して自分の部屋に戻っていくのが見えた。本当にわざとらしく見えた。ウンタクを避けるのが見え見えだった。ウンタクは鼻面と眉間に皺を寄せた。また寂しくしようとした。時を構わずトッケビの態度は変わり、ウンタクはそれを推し量ることができなかった。いっそドアの後ろの他の国に行くのがもっと簡単に感じた。
ウンタクは食卓でニンニクを剥いている死神の前に座った。
P241
 「トッケビさんさあ。最近何かあったでしょ?」
 「。。。昔のことは思い出せないみたいだ」
 「どんな昔のこと?」
 「俺が知ったことか。あいつの考えを俺がどうして分かる。ニンニクでも剥け」
 「知ってるみたいだけど」
ウンタクは疑いの目つきを隠せないままにんにくを剥いた。ひとつ、ふたつ水につけたニンニクをつまんで死神と向かい合い皮を剥いていたら、ふと笑えてきた。死神の影だけ見ても恐ろしくてブルブル震えた時があった。
 「でも、おじさんと私が初めて会ったとき私が9才だったじゃないですか。それでもう一度会った時が19才だったでしょう。9才の時は母さんのことでひっかかったとするでしょう。19才の時はどうして私の居場所がわかったの?」
 「9才、19才、29才、完全になる前が一番危なっかしいってことだ」
 「それ、どういう意味?」
尋ねるウンタクに死神の手がしばし止まった。前に座った子どもは生まれた瞬間から今まで、本当に辛い運命だった。やっと19才なのに背負っているものがあまりにも多かった。長く見守ってきた者としてウンタクが気の毒にも見えた。
P242
  (お前は29才にも死神にあうだろう。俺でなくてもそれが「その他漏落者」の運命だ。この世には秩序が必要で9は神の数字であり、完全な数字の10にもっとも近い未完の数字だから。まあうまくやれ。)
 「俺が秘密をひとつ教えてやろうか?」
 「なんでそんな風に見るの?秘密って何?」
 「いや」
すごく大きな秘密でもあるのかと思ったが、死神は大したことではないとずっとニンニクだけ剥いていた。秘密があっても絶対教えてくれないようでウンタクは気が抜けた。
ニンニクをすべて剥き、洗濯室で洗濯物をたたんでいるとウンタクはまたトッケビに出くわした。明らかに会ったのにそんなことはなかったかのようにトッケビはウンタクとすれ違った。すでに何回目かだ。いない人として扱うのは。これ以上耐えられそうもなかった。
 「ちょっと。もしもし?私が見えない?おじさん!」
ひゅっとトッケビが風を起こすように振り返った。
 「なんだ!」
 「ああびっくり。いったいどっちが急いでいるのか・・・私のこと見えます?」
 「ああ。」
 「もしかして私に何か怒ってるの?」
 「俺がなんで」
P243
 「怒ってないって言うのになんで怒ってるの?いったいいつから私に怒ってらっしゃるの?今もそうじゃない。怒ってるじゃない」
トッケビの表情が無表情すぎて怖かった。そんな顔をして冷たく言いながら怒ってないと言ったら気になるものだ。何のせいでこうなのか、教えてくれてもいいのにと思った。ウンタクはだんだん気分が悪くなった。
 「お前が何様だ」
この言葉にさらに傷ついた。
 「お前が何様だ。いったいお前が何でしょっちゅう俺を呼ぶんだ。うるさく。なんでしょっちゅう当惑させるんだ。なんでしょっちゅう混乱させるんだ。お前が何だ。ただ剣を抜いてくれと言った時に抜いてくれれば良かったんじゃないか。それがお前の価値なんだから。俺が幸せだろうとそうでなかろうと、お前が気を使うことじゃない」
 だんだん力の抜けるウンタクの肩を見ながらもトッケビは一度まばたきをしただけだった。ウンタクは涙が流れるのをぐっとこらえた。このおじさんがこんな風に憎い事を言うのは昨日、今日のことではなかった。だから剣を抜くのを遅らせたのだ。自分の価値は剣を抜いてあげる人、ただそこまでのようだから。ここまで言われる筋合いはなかった。
 「いえ私は・・・だから私が剣を抜いてあげるって言ったんだから。言葉もかけず返事もしないのはおじさんの方でしょ。私もしかして初雪を待っていると思ったの。それが最初の約束だったから。もういいわ。おじさんは永遠に生きるのだから時間が余っているかもしれないけど、私は平凡な人間だから時が金なのよ。いつまで待てばいいの?私も塾やバイトで忙しいんだけど」
 「明日」
 「今日はなんで?私今日は時間があるんだけど」
下唇をぎゅっと噛んだまま、ウンタクがトッケビを掴んだ。トッケビはウンタクに腹を立て、一人で疲れてしまった。ウンタクを避けても解決することではなかった。バカみたいだった。自分があまりにも恰好悪くて逃げたかった。死は怖かったし、今や一人だけ怖いのではなく、自分の死の後に残されたウンタクを考えても怖かった。それでも、自分のためであろうとウンタクのためであろうと一日も早くするのがましだというのはわかっていた。
 「今日はいやだ。明日。今日はすごく日和がいいじゃなか」
ただ毎日起きるきまぐれ、今日も気分が変わると思ってくれたらいい。トッケビは憎らしい表情を浮かべたウンタクの視線を避けた。
 「散歩するんだ。お前と」
結局ウンタクは引き下がるしかなかった。それほど可哀そうでもなく、もっと好きな人が負けてあげるしかない。さらに可哀そうなトッケビのためにウンタクは散歩をした。
次の日は日和が悪いと言い訳をした。それで学校の前までウンタクを迎えに来た。次の日も言い訳ができた。ウンタクとしては悪くない言い訳だった。遅らせるごとにもう1日、ウンタクは彼にとって価値のある人になった。
共にいる時間が増えていった。

机の前に座ったウンタクはトッケビと一緒にした散歩を思い浮かべていた。静かに一緒に歩いた。
 「お前と散歩するから気分がいい」
 「お前を迎えに来たから気分がいい」
トッケビの移り気がウンタクの気分を害さない時もあった。ウンタクは少し笑ってすぐにふくれっ面になった。嬉しくもあり、一方では変だった。人が死ぬ時になったら変わると言うが、まるでそのような感じだった。いずれにせよ。
 「ただでやってあげると思わないでね」
彼が剣を抜く日を遅らせている間、ウンタクも考えたことがあった。ノートを広げ文字を書きはじめた。一文字一文字、力強くきちんと書いた。


長く待っていた死だった。
旅立つ前にトッケビは柳会長を呼んだ。異国に旅立つこととはかなり違う雰囲気が漂った。さらに重たい沈黙が彼らを包んだ。荷造りしておいた荷物は無駄になってしまった。一番大事に思っていた妹の絵が描かれた掛け軸ひとつを柳会長に渡した。トッケビ新婦が現れたと言った時から柳会長はこのような状況を念頭に置いていた。違う方向であることを願っていたが。
自分が逝ったらこの掛け軸は燃やしてくれというトッケビの言葉に柳会長は涙をぬぐった。トッケビは掛け軸と同時にウンタクのことも頼んだ。トッケビがいなくても幼い新婦がちゃんと食べてちゃんと学び、ちゃんと過ごせるようにしてやることが柳会長の最期の役目となった。
そして死神にもお願いした。自分が無に帰ったらウンタクの烙印も消えるであろう。だから誰かを消してしまったウンタクが自らを憎まないように記憶を消してくれと。
そのお願い以外には残していくものもなかった。寂しくウンタクが残るだけだった。テラスに立って夜空を見て物思いにふけるウンタクを見た。人気を感じたウンタクが後を振り返った。
 「いつ来たの?」
 「お前を見ていると気分がいい」
 「最近、私になんでそんなによくしてくれるの?怪しいな。ちょっと手を見せて」
差し出した手の平を見てトッケビも右手を差し出した。トッケビの心をひとつも読むことができず、ウンタクはトッケビの日記帳を読んでいるところだった。すべて漢字で書かれていたのでたどただどしく一日に一枚ちゃんと読むのも大変だった。それでも読んでいると彼の気持ちを読み下す気分でウンタクはかなり集中していた。到底辞典で調べても出てこない文字があった。その文字だけみても日記の内容が何なのかわかるようでゆっくりと彼の掌に指で一角一角を書いていった。
 「これなんだけど何ていう文字?」」
 「聴くという意味のチョン청」
 「ああ、聴く、のチョン청」
ついにわかった。もっと早く聞いていれば、ウンタクが爽やかに笑った。その笑いにトッケビの心が華やいだり暗くなったり、点滅するのを繰り返した。ウンタクの温もりが留まった手の平をぎゅっと握りしめた。

トッケビはウンタクを連れて自分の部屋に行った。部屋にはショピングバックが山積みになっていた。トッケビはショッピングバックから一つずつ準備した物を取り出した。小さい女性用のハンドバックと香水、そして500万ウオンが入った封筒。
 「すごい!これ何?」
 「必要だと思って、大人になったら。5百万はお前がよくわかってるし、香水は20才に大学に入ったら、バックは大学に入って彼氏ができたら・・・デートする時に・・・かわいく」
すべてウンタクは気に入った。5百万は当然だし、バックはかわいくて、香水は吹き付けると甘くて爽快な香りが広がり気分までウキウキした。
 「これなんでくれるの?急に?」
 「今日」
 「今日が何?」
 「剣」
短い答えの意味をウンタクは一度で理解した。あんなに避けて遅らせたのに、今日だった。
 「今?夜に?」
 「ああ、今すぐ」
バックを肩にかけてうなずくウンタクがトッケビをじっと見つめた。気になることがあった。質問しようとすると少し悲しかった。つまらない質問だと思ったりもした。それでも気になった。「気分がいいから、散歩が、迎えに来るのが、ウンタクを見るのが気分がいいから」もしかしてと思う気持ちになった。
 「でも・・・このどこかに愛はあるの?」
 「・・・いや」
 「ただちょっと聞いてみたのよ」
務めて軽く笑いながらウンタクが立ち上がった。剣を抜こうと腕まくりをした。そんなウンタクを見てトッケビはまたやるせなくなった。
P249
トッケビの部屋からドアを開いて出るとそこだった。蕎麦の花が広々と広がっていた。最初にトッケビにもらった蕎麦の花束がここから来たということをウンタクは悟った。夜空の下、月明かりの下揺れる蕎麦の花が雪の花のようだった。美しかった。
 「おじさんのドアの後にはいつもすてきな所があるのね。蕎麦の花畑は初めて見たわ。きれい。もしかしておじさんが私にくれた花束もここで積んだの?」
 「ああ」
 「私まだ蕎麦の花の花言葉覚えてるんだけど」
 「恋人」
トッケビを通して聞く「恋人」という単語にウンタクは心臓がドキドキした。いつも。今日もらった物の中に愛はどこにも入っていないという時もそうだった。月明かりの下トッケビは、蕎麦の花の真ん中に立った彼は素敵だった。風が吹いて彼の髪の毛をなびかせた。頬が熱くなった。ウンタクは赤くなった頬を隠そうと意味なく花を見るように体を回した。
 「ここってすっごく意味のある所みたいね。剣を抜くのに絶対ここでなきゃならないのを見ると?」
 「俺の始まりであり終わり」
P250
ここに死体が捨てられて、ここで目覚めた。この長い人生の終わりもここだったらと思った。彼は深い悲しみを飲み込んだ。
 「では頼む」
 「今?すぐに?ちょっと待って!私はおじさんがかっこよくなるのは賛成なんだけど、かっこよくなった後は?私は利用価値がなくなるの?ていう思いがして。だから私が簡単に作ってみたんだけど」
ちょっと立ち寄った部屋から持ってきた誓約書をバックから取り出した。ウンタクが差し出した紙一枚を受け取りトッケビが読んだ。

誓約書
私、トッケビ新婦ジ・ウンタクは「甲」、おじさんトッケビは「乙」と呼ぶ。
 1.乙は甲の利用価値がなくなっても利用価値がないということを言わない。甲はもろい。
 1.乙は甲の利用価値がなくなっても追い出さず一緒に住む。甲は身寄りがない。(サゴムタク)
 1.乙は甲の彼氏ができるまで彼氏になってあげる。甲は胸キュンを好む
 1.乙は甲の灯になってあげることにしたのを、俺は知らないと言わない。甲が死ぬまで。
 1.乙は甲に来たら来たと言わなくてもいいが、行くなら行くと知らせる。甲が待たないように。
 1.乙は毎年初雪が降る日に甲の召喚に応ずる。甲が待っているためだ。
                                       誓約書 キム・シン(署名)

一行ずつ条項を読みながらくすっと笑ったトッケビの目が最後の条項で長く留まった。初雪。最初は初雪が降る日ウンタクが剣を抜いてあげることにした。まだ初雪は降る前だった。彼は初めから初雪が降る前に剣を抜こうと決心したようだった。幸せな記憶は明らかにできないことだった。ウンタクの初雪をだめにしたくなかった。
 「こういう風にしようと俺の名前を聞いたのか?」
 「本当に気になったからよ。すごく似合ってる。おじさんと名前。どういう意味か、わかるでしょ?」
ウンタクはすぐにペンを渡した。もしかしてサインしないかもと不安な目つきだった。トッケビは淡々とペンを受け取り誓約書の下、署名欄にサインをした。その上にパラパラと雪が降り始めた。サインをする姿を見ると大きく安堵したウンタクが頭を上げた。本当に雪だった。
 “初雪が降る日に甲の召喚に応じる。甲が待っているからだ”
一度だけでも守ってやろうと思った。誓約書にサインもしたから。トッケビが降らせた雪が蕎麦の花の上にも舞い落ちた。暗い夜の中ですべての物が白く輝いた。
 「わ~初雪。おじさん!なんでこんなに早く初雪が?うわ~不思議。私はきれいだからいいけど蕎麦の花は寒いかもね。世の中で一番早い初雪を体験しているわ、私たち」
笑っているウンタクの顔も白く光った。ウンタクはいつもそのように輝いていた。
 「でも、これおじさんでしょ?初雪の日に剣を抜く事にしたの。でしょ?」
 「わがままで申し訳ないが、俺もこんな思い出をひとつは残したかったんだ
 「いつまで残すの?おじさんすぐかっこよくならなくちゃ」
ウンタクは訳もなく恥ずかしく手を振って剣を抜く仕草をした。そんなウンタクをトッケビは目に収めた。思う存分目に収めて無に戻って行こうと。
P253
 「じゃあカッコよくなりましょう~。最後に残したい言葉は?」
ジ・ウンタク。トッケビが声を出さずに静かにウンタクの名前を呼んだ。ウンタクは澄んだ目でトッケビを見ていた。トッケビはゆっくりと口を開いた。
 「お前と共にしたすべての時間がまぶしかった。日和がいい日も、よくない日も、日和がちょうどいい日も、すべてがよかった」
深くて低い響きがウンタクの心臓に届いた。
 「そして、どんなことが起きてもお前のせいじゃない」
 「おじさん、もしかして・・本当に箒になっちゃうの?」
本当に最後にでもなるかのように、かっこよくなるのに、死を前にした人のように振舞うトッケビのせいで、ウンタクは少し不安になった。それでもウンタクが考えられるのはその程度だった。かっこよくなるのではなく箒に変わるからそうなのかと思った。トッケビがくすっと笑って首を振った。そんなんじゃないのなら幸いだった。
正確に剣に向かってウンタクが手を伸ばした。トッケビ新婦の手が近づくと剣が姿を現した。最後のウンタクの顔を記憶しようとトッケビは目を閉じた。現れた剣の柄をウンタクが掴んだ。いや、掴もうとした。
届かなかった。剣は掴めなかった。ウンタクは何回も空振りをした。明らかに見えたし、見えるままに手に取ろうとしたのに、手は空を分けていた。何も起きないのでトッケビは目を開けた。ウンタクの背中に冷や汗が流れた。
 「これ、何で掴めないのかしら。なんで見えるのに掴めないの?」
手に力を入れてみろとトッケビがせかした。ウンタクもどうにかして掴もうと努力した。手から汗が流れた。しかしどんなに力を入れて触ろうとしても触れなかった。雪はとめどなく降っていた。
 「さっき、間違いなく、どんなことが起きてもお前のせいじゃないって言ったわよね。取消なし!」
トッケビはぱっと我に返った。
 「だからお前は・・・トッケビ新婦じゃ」
 「取り消しなしって言ったじゃない!じっとしててよ。今私がもっとパニクってるのよ。」
 「じっとしてたじゃないか!これ以上どうやってじっとするんだ!お前、あれ出せ。誓約書。燃やしてやる」
目を大きく見開いて近づくトッケビにウンタクが叫んだ。
 「ちょっと待って。私わかった!これあれだと思う。私分かったわ」
 「何だ」
 「ほら童話で呪いに掛けられた王子、あれよ!」
 「だからそれが何だ!」 
 「口づけよ」
シャツの襟を引っ張って自分の前にトッケビ顔を近づけるウンタクがささやいた。そして二人の唇が触れあった。柔らかい二つの唇が合わさった。ウンタクは目をぎゅっとつぶったままだった。お互いの温もりが唇を通じて行き来した。雪が二人の頭の上に、肩に降り積もった。冷たくて暖かかった。時間が止まったようだった。


(つづく)
次はいよいよ上巻最後の章~!



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プロフィール

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Author:SAMTA
横浜在住
韓国ドラマ・映画好き
韓国俳優キム・ミョンミンさんの
カンマエに嵌ったのが2009年5月。
それからミョンミン道一筋です☆
韓国語、韓国料理など韓国文化全般に
興味があります。☆

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