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2017-08

韓国ドラマ「トッケビ」小説 コツコツ翻訳9 ウンタクのスダムスダム♡ - 2017.06.11 Sun

トッケビ6_5
「トッケビ」撮影地:ハンミ書店 (*^_^*) 仁川

トッケビ6_1トッケビ6_2
トッケビ6_3トッケビ6_4
トッケビ6_7トッケビ6_8

話はなんといっても、悲しいラブストーリーからズッコケコメディ的なトーンへの
転調ですかね、←見た人にしかわかならいけど^^;;
ともかくウンタクの思考回路がおもしろいです。
あんなに可哀そうだと泣いてあげておいて、剣は抜かないって(笑)
トッケビ ワンタ(いじめ)じゃないの?

「トッケビ」はドラマの美術、小道具がすべてすばらしいのですが
ロケ地もとても印象的です。
このハンミ書店。仁川にある古本屋さんみたいですが;
この黄色い本屋の前でどれだけの人々がスダムスダム(なでなで)したのでしょう(笑)
私もしてもらいたい。←できることならウリペウに(^^ゞ

そして、コンケビ(コンユのトッケビ)がウンタクを待つ間に朗読する詩は
本当に切ないです。。。。

 
 생이 나에게로 걸어온다. センイ ナエゲロ コロオンダ
生が私に向かって歩いてくる 
죽음이 나에게로 걸어온다. チュグミ ナエゲロ コロオンダ
死が私に向かって歩いてくる
 새으로,사로, 너는 지치지도 얺고 걸오온다. センンロ サロ ノヌン チチジドアンコ コロオンダ
生として、死として、お前は疲れもせずに歩いてくる
 그러면 나는 이렇게 말하고야 마는 것이다. クロミョン ナヌン イロッケ マラゴヤ マヌン ゴシダ
だったら私はこのように言ってしまおう
 서럽지않다. ソロプチアンタ
悲しくはない
 이만하면 되었다. 된 것이다.イマナミョン テオッタ テンゴシダ
これで十分だ。これでいいのだ。


P219
きらびやかな瞬間 찬란한 순간 チャルラナン スンガン
※チャン ラン ハン の発音はチャルラナン 流音化 となりますね・・・(*_*)
 パッチムㄴの後にㄹがくると 両方ㄹで発音されます。例: 한류韓流 → 【할류】 ハルリュ 


メニューを選ぶときまではよかった。落ち葉が舞っただけでもキャッキャッと笑うのが女子高生だとすると、風が吹くだけでも変わるのがトッケビの気持ちのようだった。自分をぼ~っと見つめていたが、ある瞬間冷たい風がびゅうびゅう吹く態度で自分に対するトッケビにウンタクはあちこち振り回された。ステーキが口に入ったのか鼻に入ったのかもわからなかった。
家に戻ってパジャマに着替えるとウンタクはトッケビの部屋のドアをノックした。理由だけでも知って冷たい風に震えたかった。このように毎回気分が変わるたびにやられっぱなしでいる訳にはいかなかった。トントン、ノックの音にも部屋の中からは何の返事もなかった。中に確かにいるのをわかっているが何の音も聞こえないように振舞うのでウンタクの自信はまたどん底まで落ちて行こうとしていた。動揺しながらトントン、もう一度ドアをノックした。






結局出てこないようだった。ウンタクはため息を長くついてドアに背を向け、自分の部屋に再び戻ろうとした。その時ドアが開いた。彼はすべて諦めて戻ろうとしてやっとドアを開けてくれた。
静かに部屋の中に横たわり、ウンタクの気配を見計らっていた。トッケビは29歳のウンタクをすでに数十回も見た。
 「剣を抜いてくれないか。今。頼む」
ウンタクの顔に影ができた。前にひたりと近づくトッケビは、直ちに剣を抜いてくれと言った。
 「急に出てきて何よ。少し前にノックしたのに返事もしなかったくせに」
 「答えようと出てきたじゃないか。もう止めたいんだ」
 「何を?」
 「選択できると思っていた考え」
 「さっき、結局したっていう選択、それ?それ何なの?正確にどんな選択をしたって言うの?」
リビングに立った二人に緊張感が流れた。かなりぴんと張り詰めていた。
 「答えだけ。質問ではなく。」
 「申し訳ないんですけど。私、まだ調査が終わってないの」
P221
 「何の調査?」
 「おじさんの名前を検索してみたの。インターネットで。生涯、業績、まあそんなのが何も無かったんだけど。最初に誰かが消してしまったみたいに」
別にトッケビについても調べたというのに、自分の名前も検索していたとは。トッケビはしかめっ面をして聞いた。
 「お前、俺の内偵をしたのか?」
 「内偵じゃなくて、ただの調査よ。気になることがあって調べたら何か分かるかと思って。おじさん以前私についてこう言ったじゃない。お前が自分に何かを発見したらお前は俺をすごく憎むだろうって」
 「。。。」
 「何かは剣で、私はそれを発見して、おじさんを憎んでないのに、憎むだろうというのを見ると、まだ何か残っているということで、だからよ。その剣、絶対そんなことはしないと信じた人がそうしたって言ったでしょ。おじさん、もしかして・・悪いことをして歴史の中から記録を消されたの?悪い事をして罰を受けたのなら剣を抜くのはちょっとあれじゃない。おじさん、もしかして謀反・・そんなことをしたの?」
 かなり勉強ができると言っていたが、淀みない推理だった。聞いているのが嫌なのか。トッケビは不機嫌そうな気持を隠そうとせず口をぎゅっと閉じていた。ウンタクも自分が今何か口実を探すために必死なのをわかっていた。他人の辛さを隅から穿り返すつもりは毛頭なかったのだが、焦っていた。まだ剣を抜くこと以外には別に価値がないのだから。
P222
ウンタクは早く少しでも価値のある存在になりたかった。一人でも十分に生きていけるが、なぜ今になってこのおじさんに価値ある人になりたいのかと聞かれたら、とりあえず答えはいくつかあった、子供の頃から待っていた唯一の希望だったし、家族というのを作ってくれる存在だった。何よりそばにいたかった。寂しく見える彼の横に寂しく育った私がくっついていれば、そのように一つになっていたら、あまり悲しくは見えないように思った。
二人とも引き下がる気配はなかった。最初にため息をついて口を開いたのはトッケビだった。
 「ああ、そうだ。お前の言うとおり」
素直に認めたことにウンタクは逆に申し訳なくなった。絶対そんなことはしないと信じた人の剣で刺されたのであれば裏切りであり、剣までさされた裏切りが痛くないはずがなかった。実際にもすごく痛かっただろう。たくさんの血が流れただろう。
 「生き残るのに忙しい人生だった。歴史に記録されない時間だった。ありったけの力を振り絞ったが、死ぬことさえ名誉を与えられなかった。」
彼の声に深い悲しみが胸をえぐるようだった。目に涙が滲んだ彼をウンタクは唖然として見つめていた。焦ったせいで失敗したみたいだ。ウンタクは申し訳なくどんな言葉も発することができなかった。
P223
 「王に向かって進み出ると言ってよくなることは何一つなかった。しかし私は進み出て、私の一歩一歩に罪のない人々が命を失った。私の罪は許されなかったし、今その罰を受けている途中だ。この剣がその罰だ」
 しかし剣を抜いてくれとトッケビが言った。ウンタクは彼の悲しみに同化されていった。自分も何かに刺されたように胸の中が痛かった。
 「でも、これが罰だと言っても900年受けたらすごく長く罰を受けたことにならないか?」
 「いいえ。罰のはずがないわ」
頭を横に振り、ウンタクはトッケビの腕に手を置いた。彼の目から涙があふれ出した。切実な涙だった。900年を超えて生きた彼が流す涙は見るだけでも辛かった。海よりももっと悲しかった。
 「神が罰としてそのような能力を与えるはずがないわ。おじさんが悪い人だったら、おじさんが本当に悪い人だったらトッケビだけが存在したはずよ。トッケビ新婦に会うようにして剣を抜けるようにするはずがないわ。」
白く細い指がすっとトッケビの頬を拭った。
 「どんな存在かわからないけど・・・おじさんは愛されているのよ。本当に」
P224
トッケビ新婦であるウンタクを送り出したのが神であるなら、本当に愛されていたのかもしれないとトッケビは初めて思った。頬の上に届いた指が暖かかった。このような慰めは初めてでトッケビは時間をゆっくりと流した。流れていく時間を手に掴むことができないのが残念だった。千年に近い生が寂しかったし、この瞬間もそうだったが、しかしこの瞬間は寂しくもありきらびやかだった。この子の頼りない慰労と笑いがきらびやかにトッケビを照らした。
 「私が言った悪いこととは王様の女を愛して、とか、牢に入れ、とかそんなバージョンだったの。謀反の話は謝るわ」
 「じゃあ、俺をちょっとかっこよくしてくれるのはだめか?」
おぼろげに聞くトッケビを見てウンタクは自分の目にあふれていた涙も拭いた。それでもずっと涙を流していた。前に立っていた939年生きたというトッケビがとても可哀そうだった。
 「ええ、それはだめよ。ああ、王様がひどい人。おじさん900年毎日そんな風に考えて生きてきたの?そんな900年が毎日切実だったでしょう?ああ、おじさんが本当に可哀そう。悲しくてとりあえず泣いたりもしたんだけど、何の対価も払わずにそうするのはどうかしら。おじさんかっこよくしたいわりにはあまり努力してないって思わない?」
ウンタクは何でもすべて聞いてあげるかのように可哀そうだと涙を流しながらもお願いは聞いてあげないと言っている。
P225
 「は?」
 「聞いたでしょ?私も可哀そうと言われてきたから分かるけど、いわゆる可哀そうな時は、同情よりも何か確実なのがいいと思う。はあ、私アルバイトに行く時間だわ」
 「おい!」
 「私がアルバイトに行ってくる間、考えてみてね。私が何を求めているのか。あ、私よりももっと気の毒だわ。私がみんなやっつけてあげる」
ウンタクは鼻をすすりながら、トッケビを置いて行こうとしている。トッケビはすばやくウンタクを追いかけた。
 「お前が望むのが何だって?お金、家、宝石、そんなやつか?」
 「果たしてどうかしら?」
 「違うのか?もしかして、お前が必要なら俺がそこまでするといった、あれか?」
 「愛?宝石を一杯詰めた家をお金で買って愛を込めるという考えはないの?」
生意気でもあった。もう早くアルバイトに行けとトッケビが逆にウンタクを押し出した。せっかく涙まで流したのに無駄になってしまった。すでに言ったはずなのに、おじさんだけわかってないみたいだとウンタクは口をとがらせて門を出た。
1人家に残ったトッケビは自分の部屋のベッドに横たわりウンタクが言った言葉をかみしめた。慰めもして、泣いてくれたりもしたのに、剣は抜いてくれないという。結論がなんでこんな風になったのかわからない。短くて長かったウンタクとの時間を反芻した。
 「私がこの家に住んでいる間、どうか幸せにしてね」
ふと、ウンタクが読んだ訴状を思い出した。自分よりもトッケビがもっと可哀そうだと鼻をすすったウンタク。ウンタクが自分に感じる感情が何なのかぼんやりとわかるようだった。完全無欠な守護神というよりは、自分と似ている、悲しい守護神なのだろう。
 「何よりも望むのがそれなら、相当困ったもんだ」
トッケビは目を閉じた。再び29歳のウンタクが思い浮かんだ。自分はそこにいなかった。ウンタクの未来に
自分はいなくて、ウンタクは幸せそうに笑っていた。幸いなことだ。自分は死ぬことを願い、死ぬのだし、死ななければならないのだから。
 「代表?ここです」
それでもその未来に自分がいないというのが、ウンタクが自分ではない誰かをあの場所で見つめて笑っているという事実にトッケビはむかついた。


冬が一段と近付いた通りの空気が冷たかった。トッケビは裏道の入口をうろうろしていた。前に進んだかと思えば後に戻り待った。待つのではなく、散歩に出てきたのだと言い訳したが、彼の目はウンタクが歩いてくる道を見ていた。時計を再び確認した。この時間ならウンタクがアルバイトを終えてここを通り過ぎる時間だった。可能な限り道の先を見ていた。
ついに濃いグレーのダッフルコートにジーンズを履いたウンタクが歩いてきた。イヤホンを耳にさし単語帳を手に持っていた。ウンタクはうつむいたまま単語を覚えるのに集中していた。表情がかなりまじめだった。あんな風に前も見ないで歩いて事故にでもあったらどうするんだと舌打ちをしながらもウンタクを見ると、ひそかに口元がにやけた。ポケットに手を入れてウンタクが通り過ぎるのを待った。単語帳に集中しているウンタクの歩みが遅くなった。トッケビの表情がぼんやりしていた。

 生が私に向かって歩いてくる
 死が私に向かって歩いてくる
 生として死として、お前は疲れもせずに歩いてくる
 だったら私はこのように言ってしまおう
 悲しくはない
 これで十分だ。これでいいのだ。

かすかに笑みを浮かべウンタクを見ていたが、ウンタクが頭を上げた。二人の視線が事故のようにぶつかった。ウンタクが視線をはずさないまま、イヤホンをはずし単語帳をポケットにしまった。そしてトッケビに向かって速足で歩き始めた。ウンタクが走るように自分に向かってくる軽快な足音は、いつもトッケビの胸の中に足跡を残した。心臓が鼓動する音になった。トッケビの心臓がドクンドクンと鳴った。まだ生きていた。
 「ここで何してるの?」
ウンタクは道の真ん中で会ったトッケビがただ嬉しくて彼に向けて顔を突き出した。アルバイトをしながら彼のことを考えた。おじさんが流した涙、900年の時間、そんなこと。本当に長い間辛く1人涙を流してきたのだろう。彼のためなら早く剣を抜いてあげるのがいいと思った。そう思いながらも剣を抜いてあげたら、自分ではない別の人を本当の新婦として迎えるのではないか、つまらない心配で何日間か遅らせてしまった。
トッケビの視線が少し遠く、ウンタクを初めて発見した所に行っていた。目の前でウンタクが手をひらひらと振った。
 「・・・見た」
 「何を?」
 「お前が来るの」
 「こんなに長く?ちょっと感動なんだけど」
華やかにウンタクが笑った。二人は一緒に家に戻る道を歩き出した。
P229
 「でも。そんな風にしたら見える?前に言ってたじゃない。私は見えないって。私の20歳、30歳。まだ見えない?」
 「お前には見えない。普通は吉凶禍福程度が見えるんだ」
 「そうなんだ。私はその他漏落者だからそうなのかも。私の存在自体が本当につまらないものだったんだけど、特別にしてくれたのね。私が作るものがそのまま私の未来だから。」
29歳のお前を見たという話はしなかった。それさえもウンタクを通して見た未来ではなかった。その場所で10後にも依然としてサービスするウェイターを通してやっと見たウンタクの未来だった。
 「心配しないで。私が毎日辛いわけ?私は今謙虚に運命を受け入れて健気でしっかりしたトッケビ新婦だから」健気でしっかりしたトッケビとトッケビ新婦になった。トッケビはくすっと笑った。でもウンタクも人だから気になった。自分の20歳、30歳、以前は少し前も見えないほどお先真っ暗で心配だったとしたら、最近は少し楽しみになった。
 「こんな風に成長するさ。ずっと」
 「え?」
 「こんな風にずっとかわいく」
かわいいと言ってくれて嬉しかった。かわいい人を探しているのではないといったトッケビの言葉が思い浮かんだ。トッケビが探していた新婦だったし、彼にとってかわいい人になったことも気分良くウンタクはわけもなく恥ずかしくなった。
 「どうして分かるの?1日2日は憎らしいこともあるでしょ?」
「1,2か月のこともあるさ」
せっかくいい雰囲気になっても、このようにわざとひねくれた。ウンタクは憎からず彼を睨んだ。冬の風も憎からず、冷えないように二人をかすめた。
 「でも。おじさん守護神をするとき、基準はあるの?」
 「ない。ただその日その日、気持ちの向くまま。大人と子供だったら主に子供を助けるだろう。この世から遠ざかるところだった俺が初めて差し出した手が子供の手だったんだ。
 「あ。。。だったらあの時、うちのお母さんをなぜ助けてくれたの?大人なのに。」
 「あの時は酒を飲んでいて気弱になってたし、お前の母さんが助けてくれと言ったのは自分じゃなかったんだ」
その場所でウンタクが立ち止った。嘘のように涙がぽろぽろ落ちた。元々、こんな風にはしょっちゅう泣かないのに、最近はよく涙が出た。それでもこれは悲しくて泣くのではなかった。ただ思いもしなかった事実がウンタクの中でぐっと入ってきて驚き、幸せでわっと泣き出した。母さんが自分を助けようとものすごく切々と祈ったんだな。母さんの愛も、切々と願った母さんのそばにトッケビが現れてくれたことも有難かった。
P231
 「助けてという言葉に答えてくれたのがおじさんなのが・・・すごく今さらながら奇跡のようで嬉しい・・」
だからウンタクはトッケビ新婦になった。生きながらよかった日よりも悪かった日がさらに多かったと思うのに、受け取った愛と奇跡だけでも、この子は喜んで泣いていた。愛らしかった。頭をなでる、と言っただろうか。トッケビはウンタクの頭をなでる代わりにぐっと押さえてやった。大きく暖かい手だった。
 「でも。頭をそんな風にぐっぐっと押さえるのではなくて。こんな風になでなでするものなのよ。」
涙を流しながらもウンタクはちゃんとした慰め方も知らないトッケビに向けて笑った。そうするとつま先立ちをして手を上げトッケビの頭をなでてやった。急に近づいたウンタクにトッケビは固まってしまった。
 「今日みたいだな。1日、2日憎らしい日」
とげとげしく言うと、トッケビは大股で前の方に歩いて行ってしまった。

翌日の朝、部屋から出たウンタクはリビングに立った巨大な木を見て目を大きく見開いた。庭にあったモミの木がリビングに入ってクリスマスツリーになっていた。ツリーをぐるぐる巻く飾りと木のてっぺんにぶら下がった黄色い大きな星がキラキラしてウンタクの視線を奪った。トッケビが飾り終えると階段を下りてくるウンタクを見つけて満ち足りた表情を浮かべていた。褒めてもらいたい子供のように見えて、ウンタクは少し笑えると思った。
目をキラキラさせウンタクがツリーの周りを回った。かわいいを連発し、じっとトッケビを見た。
 「今まで私が自分のことだけを考えてごめんなさい。」
ジ・ウンタクの謝罪だなんて、トッケビは驚いた目をした。剣を抜いてあげなくちゃというウンタクはツリーの周りを回って気持ちが固まったと言った。剣に関連した話をウンタクが先に言いだすとは思ってもいなかった。
昨日戻ってくる途中、ウンタクがツリーを見て、かわいいと何気なく言ったのだが、目を開けると家の中にツリーがどっかりと置いてあった。トッケビにはありがたいばかりで、これ以上自分の欲のために遅らせてはならないように思った。
 「本当に追い出されるかと心配になったの。おじさんが抜いてくれと懇願するから面白かったし。おじさんがかっこよくなって別の女性と付き合ったらどうしようと思ったりもして」
何の話をするのか今は大体わかったトッケビは答えることもなく聞いていた。
 「いや、って言わないの?」
 「言わなきゃか?」
P233
 「あ、いじわる。期待もしてなかったわ。どうせ私は結論を出したし。かっこよくしてあげるわ。おじさんのようにいい人のお願いが悪い結果を生むはずがないもの」
自分を信じるという話だった。ウンタクの信頼がどこから来たのかわかるようでもあり、わからないようでもあった。ウンタクはいつの間にか自分を「いい人」だと言っていた。トッケビの表情が暗くなった。果たして最後までウンタクにいい人として残ることができるのかわからない。
たぶんそうではないようになるだろう。隠した事実があったし、剣を抜いた後の事をウンタクが耐えられるのかそれも心配になった。ここにきて、ウンタクが自分をすごくかわいそうに考え、ありがたく考え、自らのように考え、好きみたいで、それにも関わらず自分はもっと生きたくなる前にこの世を去りたいという利己的なトッケビだから、トッケビはウンタクの笑いに笑いで答えることができなかった。
 「どこでかっこよくしましょうか?ツリーの前で?」
 「い、今?今日、すぐに?」
 「うん、鉄は熱いうちにって言うじゃない」
心の準備は昨日もしたし、おとといもして、その前の日もして、すでに何日もした。ウンタクに剣を抜いてくれと哀願する瞬間ごとにした。それなのに1秒でも遅らせたくなった。心配になった。自分が、またこの子が。急にポケットから携帯を取り出し聞いた。鳴りもしない携帯に向かって「もしもし」と答えた。今は電話のせいでだめみたいだと、後でしようと慌てて席を立った。
携帯を逆さまに持って電話を受けながら、席を立ったトッケビがウンタクは可笑しかった。

トッケビはその道で亡者だけが出入りする死神の茶屋を訪ねていた。ちりんとドアが開く音に書類業務をしていた死神がびくっとした。トッケビの顔色がかなり悪く見えた。白く血の気が引いた顔つきが紛らわしくさえした。
 「なんだ、死んだのか?」
 「予行練習だ。剣、抜いてくれるって」
 「あの子は正確に知らないんだろ?それがどういう意味なのか」
 「・・・言えなかった。あの子が俺をすごく好きみたいなんだけど。心配だ」
まじめに聞いていた死神の表情がうっとうしそうになった。本当に心配なのか。ウンタクが自分を好きだというのを自慢しているのか見分けがつかなかった。
 「笑わせたいのか、それとも喧嘩売ってるのか?」
 「おい、お前が知らないからだろうけど、あの子は俺のことをものすごく好きなんだ、俺を見るなり愛してる、嫁に行く、だ。俺がどれだけ混乱してるかわかるか?何も知らないで、あの子が俺を好きじゃないという理由がないだろ!」
自信ありげに叫びながらもトッケビの目が少し揺れた。実際、ウンタクが自分を好きだというのが確実なのではなかった。かわいそうなおじさん、有難いおじさん、それ以上なのか違うのかまではトッケビも分からなかった。それが重要なわけでもなかった。どうせウンタクの未来に自分はいなかったのだ。
 「なんでないんだ。年の差がどれだけなんだ。あの子が大学に行けば、若くてかっこいい男の子たちで溢れてるぜ」
 「900年なんてかわいいもんだ!」
 「なんでいつも年をごまかすんだ?939才だろ?」
 「おい、実際俺が早生まれだから、1才少ないんだよ」
結局笑いがはじけた。笑うことは何もなかったのだがそうだった。死神と向きあってニヤリと笑ったトッケビが一段と気楽な声でぶつぶつとつぶやいた。
 「。。。もう一度遠ざけてみようかな。あの子だけが俺を死なせることができるのに、あの子が、俺を生かしてくれる、笑えるだろ。」
死を待っていて、死が来た。なのに死に会うと生きて見たくなった。もう少し。
 「錯覚するなよ。あの子がいない時もお前はちゃんと生きてきたんだ」
 「そうか?でもなんでその時のことがひとつも思い出せないんだろう」
あのように明るく、華やかで、きらびやかな瞬間が、千年近く生きてきて一瞬もなかったように、今がもっともそのような瞬間のように感じた。ウンタクが笑う時はそうだった。
P236
すべての瞬間が記憶された。瞬間ごとに生生しかった。「おじさん」と呼ぶウンタクの声が耳元で繰り返し聞こえた。喜びにあふれた声、うなだれた声、今にも泣きだしそうな声・・・初めて会った時から今までウンタクが呼んだ声。それでも行かないと、結局結論は決まっていた。彼ができる残されたこととは死ぬことだった。
 「呼ぶのをやめろ、俺を呼ぶのをやめろ。ジ・ウンタク、俺は逝く」
独り言を言っても依然として耳元ではウンタクが彼を呼んでいた。防波堤で鼻水をすすりながら神をうらんだ子が自分に未練として残るとは夢にも思っていなかった。生はいつも予測不可能なことだった。
 「おじさん」
ドアを叩く音と共に本当にウンタクが彼を呼ぶ声が聞こえた。トッケビはその声に、ドアに、寄り掛かった。また始まった。剣が泣いた。生き返った後剣は、胸に刺さっているだけでどんな物理的な痛みも与えなかった。トッケビ新婦であるウンタクに出会う前までは。
ウンタクに出会った後、剣が泣き始めた。新婦に出会ったためなのか、あるいは彼が生きたいと願ったためなのかわからなかった。胸に刺さった剣が泣くと痛みに襲われた。もしかしてうめき声が聞こえるのではないかと手の甲で口を塞いだ。ウンタクが呼ぶ声が遠くなっていった。


(つづく)

え~わたくしごとですが、来週末野暮用(笑)でソウルに行ってきます・・・ので
またまた「コツコツ翻訳」はお休みさせていただきます。
次は「ナリチョアソ~」♡の章です。
楽しみ☆

● COMMENT ●

生が歩いてくる
死が歩いてくる

トッケビの低く響く声で
そんな事言われたら!
ドラマ見ながら
自分まで息苦しくなりました(TT)

5、6話のあたりはストーリーの展開ばかり気にして視聴していたので、取りこぼしたセリフがたくさん!
コツコツ翻訳を読むとセリフの行間がわかり一粒で2度おいしい(^^)
(歳がバレたでしょうか)

それにしても悲しいシーンからコミカルなシーンへの切り返しが見事ですねぇ
これに慣れると他のドラマが見れない(*_*)

スミマセン!
2度送ってしまいましたm(__)m
大変失礼しました!

せんたくかあちゃんさん
コメントありがとうございます~(^_-)-☆
二つ目のコメントはこちらで削除させていただきました☆

トッケビの真摯な低い声で詠む詩が心に響きましたね。
ドラマと違って、文字は頭の中に自分なりの映像が浮かびますし
まさに行間に込められた感情を読み取るのも小説版の面白さですね☆

一粒で2度おいしい、と言っていただけで私も嬉しいです~
(十分知っております。ハイ^^;;)

そして私も他のドラマに手が伸びません^^;;
少なくともこの翻訳が終わるまでは・・・(遠い目)


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プロフィール

SAMTA

Author:SAMTA
横浜在住
韓国ドラマ・映画好き
韓国俳優キム・ミョンミンさんの
カンマエに嵌ったのが2009年5月。
それからミョンミン道一筋です☆
韓国語、韓国料理など韓国文化全般に
興味があります。☆

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