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韓国俳優キム・ミョンミンに関するインタビューや記事の日本語翻訳ライブラリー
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~なぜ韓国俳優は演技の技術が高いのか~

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~なぜ韓国俳優は演技の技術が高いのか~
ここ10年で韓国という国が文化政策に関してどういう方向に舵取りを行い、
いかにして俳優を育成してきたのかを講師の金世一氏に語っていただくトークイベント


に行ってきました。
主催は「映画24区」という、俳優や脚本家を育成するトレーニングジムのようなスクール。
といって、私が何かトチ狂って、俳優や脚本家を目指すというのではないですよ^^;;;

たまたまこのタイトルを見て面白そうと思って申し込んでみたんです。

参加者は俳優や脚本家を目指す方々がほとんどと思ったし、場違いかな・・・と思いましたが
勇気を振り絞り^^;;行ってみてよかったです。とにかく面白かった。
私が10年前に韓国ドラマにはまり、それ以降、映画やドラマを通して韓国俳優さんたちの
魅力にひきこまれた理由、ルーツはここにあったんだなあと実感したのであります。

メモを取ってきたので、記憶している範囲でご紹介したいと思います。

講師は、2003年から日本で演劇や演技指導者として活躍されているキム・セイルさん
日本語ペラペラな方です。(よかった^^^)

演劇に関する韓国と日本の圧倒的な違いはそのベースとなる環境、システムが異なるということでした。


ちょっと長いので下にたたみました。


まず、韓国の俳優さんたちがほとんど大学に通われて、大学で演劇を専攻されているのは
皆さんよく御存じのことかと思います。
わたしはどちらかというと、韓国自体大学進学率が高いことが原因だと単純に思っていたんですが
それだけではなかったんですね!

常々たくさんあるなあとは思っていたけどまさかこんなにあるとは!
俳優を養成するカリキュラムを有した、演劇専攻のある大学は韓国内になんと65
そのうち4年制大学が45、短大が20
地域別ではソウル14、京義道19、地方32

(ちなみに90年代初はそういった大学は6校しかなかったそうです)

平均的に演劇専攻で勉強している学生が60名/大学ぐらいなので、
大学数を60校とまるめた場合、60校×60名=3600名の学生が
俳優あるいは演出家などを目指して勉強しているという計算に!


そしてここからがすごいです。
演劇も芸術ですので、芸術専攻の大学を目指すには、音大や芸大を目指すのと同じように
高校生のころから専門の予備校や塾などに通って受験の準備をします。
セイルさんによれば、高3の時に通われた演技塾の時間割は
月水金の週3日 夜18時~22時までの4時間 つまり週12時間 月48時間
それを約8か月通って 合計384時間 一般科目の勉強とは別に演技の勉強をするのだそうです。
11月の共通試験が終わったら、12月から2月までは実技の訓練をしなければならないと、
おっしゃっていたので演劇専攻は共通試験の後に実技の試験があるということなんでしょうか?
とにかく12月からの3か月は朝10時から夜10時まで演技の訓練だそうです。

絵画の基礎は彫刻デッサン、ピアノはバイエルから始まってツエルニー、というように
演技も基本的な技術を身につける必要があり、それは時間をかければかえるほど良い。
ただし時間をかけて演技がうまくなったとしても俳優としてブレイクするかどうかは別の話。
(それはそうだよね)
だけれども、韓国の俳優さんが骨太でしっかりした演技を見せてくれるベースにはこういった
システムがあったからなんですね。
映画やドラマに出演する主演俳優だけでなく、脇を固める役者さんたちもうまいですもんね。

そして、さらにすごいのはこれからです。
演劇専攻科のある大学がこれだけあって学生が年間3600人卒業した場合、就職先があるのか
という問題。つまり受け皿となる場所はどうなっているのかということです。
TVや映画に出演できてそれで食べて行ける人は限られています。日本の場合でも。
ところが韓国はそういった人たちがちゃんと食べて演技を続けていけるような受け皿を政府が
準備しているのです。
・芸術講師派遣制度(中高で演劇を教える先生。給料は国が出す。大学の非常勤より給与はいいらしい)
・公立劇団(全国に11ある)
・オーディション(ウリペウはSBSの公採出身ですね)
これらのいずれかで働きつつ、あるいは
ソウルの大学路にあるような小劇場で芝居をしつつ、演技生活を続けることができるのだそうです。

なので、日本の売れない俳優さんたちがよくコンビニでバイトするというケースは、ないそうです。
それよりも演技の勉強をする時間を確保することが大事だ、ということです。

ちなみに大学路(テハンノ)には大小あわせて150の劇場があるそうで
世界でも例をみないそうですね。
ブロードウェイでもOn,Off合わせてもこんなにはないそうです。

こういう土台があるために2000年以降映画も演劇も韓国は国際的なフェスティバルでたくさんの賞を
受賞するようになり、
2004年にはあの日本での冬ソナから始まった韓流ブームが起きるわけです。
あの時は、韓国の役者さんたちの強い演技にぐぐぐ~っと引き込まれて
どうしてこんなに演技がうまいんだろうと感心したのですが
こういうベースがあったんですね。

土台となるシステムは政府が支援してくれるから層も厚い。
層が厚いから競争が激しい。
だから皆役者としての勉強も怠らない。(ウリペウがボールペンを噛んで滑舌の練習を欠かさないように)
手を抜いたら、すぐに他の役者に抜かれてしまう・・・

ムムム
韓国政府が映画やドラマといったエンターテインメントを優良な輸出コンテンツとして育成し
手厚くサポートしているというのは、以前新聞などでよく目にしました。

こういう専門的な勉強を中高校生のころから勉強するわけですから
演劇論もしっかり勉強するし戯曲もたくさん読むだろうし
(先日のファンミでミョンミンさんは演出志望のファンに、戯曲をたくさん読みなさい、と
アドバイスしていました)
シナリオを読み込む、分析する技術も長けているはずですね。
脚本家も同じように長い時間をかけて勉強し、訓練するから
面白いドラマもたくさん生み出されるわけですね。


とにかくなんだかものすご~く納得して帰ってきたのであります。
この企画、第2弾、第3弾と続くそうです。

あ、それとトークイベントが始まる前に、5月公開の映画が2本紹介されました。
ひとつが「国際市場で会いましょう」もうひとつが「私の少女」
キム・セイルさんはダルスさんと同じ劇団にいらして、ダルスさんが先輩だそうです。
なんか親近感~♪

ペ・ドゥナ主演の「私の少女」面白そうだなあ。
これも見に行かなくちゃ!

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